初代デイトナRef.6239について
- 生産期間
- 1963年から1960年代後半
- ケースサイズ
- 37mm
- 防水性能
- 30m
- 風防
- プラスチック風防
- 夜光
- トリチウム
- ムーブメント
- 手巻
- キャリバー
- バルジュー社製cal.72B(前期)、cal.722(中期)、cal.722-1(後期)
- ブレスレット
- リベットブレス7205/71
目次
初代デイトナRef.6239もいくつかの仕様が存在し、その違いによって評価が変わる
生産初期から後期までの間に微差がありそれによって市場プライスも変動している。大きく分けると3つに分類できる。「ベゼルの仕様」と「文字盤の仕様」、「ムーブメントの違い」である。
文字盤の変化
- 初期(ロゴ無し)
- 『DAYTONA』のロゴが無いタイプ。12時位置のROLEXの下には「COSMOGRAPH」とだけ印字されている。
- 初~中期(スモールロゴ)
- ROLEX、COSMOGRAPHに続いて3段目に『DAYTONA』と表記されるようになった。後にマイナーチェンジしたダイアルと比較するとDAYTONAの文字が小さいことが分かる。
- 中~後期(ビッグロゴ)
- 上記の初~中期と比較すると『DAYTONA』の表記が明らかに多くなっている事が分かる。
- 後期(6時位置ロゴ)
- 6時位置の12時間積算計の円に沿うように『DAYTONA』のロゴがプリントされている。
ベゼルは基本2タイプ
- 前期(300タキメーターベゼル)
- 時速300kmまで計測可能な300タキ。当時の最高速レベルをベゼルに刻印している。300タキは希少で、後期の200タキよりもレア度が高い。
- 後期(200タキメーターベゼル)
- 200タキは後期となっており、製造期間は300タキに比べて長いため、希少性では300タキには劣る。また、手巻デイトナのプラスティックベゼルタイプは200タキまでしか存在しない。
ムーブメントの変革
- 前期(プレデイトナRef.6238から搭載するバルジュー社製Cal.72B)
- 1950年代後半から1960年代中頃まで製造されていたバルジュー社製の手巻ムーブメント。Ref.6238にも搭載されている。
- 中期(バルジュー社製Cal.722)
- Cal.722は1960年代前半から1960年代中頃まで製造されていた。バルジュー社製Cal.72Bを改良したCal.722。何が変わったかというと、テンプの耐震装置がキフ・ショックからキフ・ウルトラフレックスとなっている。前型のCal.72Bとムーブメントの違いでは価値としての評価は変わらないようだ。
- 後期(バルジュー社製Cal.722-1)
- 1960年代前半から1960年代中頃まで製造されていたバルジュー社製ムーブメントCal.722-1。クロノ用ロービート(18000振動)としてはこれが完成形となる。以降2代目デイトナに搭載されるムーブメント、バルジュー社製727は21600振動と進化していく。
ブレスレットは、リベットブレス7205/71
1960年代のデイトナに装備されていた、デイトナの中で最も古いタイプ。
初代デイトナの中に存在するレアピース『ル・マンモデル』
Ref.6239の製造の最初期に極わずかに存在するレア仕様が存在する。現在では「ル・マンモデル」と呼ばれ、ヴィンテージロレックス市場で注目されている。
ル・マンモデルの特徴
- ・デイトナロゴ
- 文字盤12時位置にプリントされているROLEX、COSMOGRAPHの下は通常初期のダイアルは空白になっているがアンダーバーがプリントされている。そしてアンダーバーがないタイプも確認されている。
- ・タキメータースケール
- Ref.6239の前期モデルは300タキとなっているが、それらの300タキとは異なり、275の目盛りがある。通称「275タキ」と呼ばれている。通常は、300、250、225...と刻まれているので275の目盛りは刻印されていない。
- ・時針
- インデックスに重なるか重ならないかくらい針が長くなっている。通常タイプと比較すると一目瞭然である。
- ・ダブルSWISS表記
- 激レアなダブルSWISS。ダイヤル下部にプリントされており、通常はケーシングされているから見えない。