3代目エクスプローラーⅠRef.1016について

- 生産期間
- 1960年から1989年
- ケースサイズ
- 36mm
- 防水性能
- 100m
- 風防
- プラスチック風防
- 夜光
- トリチウム
- ムーブメント
- 自動巻き
- キャリバー
- Cal.1560、Cal.1570
- ブレスレット
- リベットブレス(フラッシュフィット一体型)7206/80、巻きブレス(フラッシュフィット分離型)7836/280、巻きブレス(フラッシュフィット一体型)7836/380、ハードブレス(フラッシュフィット分離型)78360/580
現行モデルと同等のスペックを持つ3代目エクスプローラーⅠRef.1016
3代目エクスプローラーⅠは約30年間のロングセラーモデルでありその長い製造期間にマイナーチェンジを繰り返している。一番わかりやすい外観上の違いとして文字盤にちょっとした差があり、それで価値が大きく変わる。まず大きく分けると3タイプに分類できる。ミニッツサークルミラーダイヤル、ミラーダイヤル、マットダイヤルだ。文字盤の変化を中心にを詳しく解説していく。
3代目エクスプローラーⅠRef.1016ミニッツサークルミラーダイヤル
初期のミニッツサークルミラーダイヤルの製造期間は1960年から約30年間製造されていたうちの、『1960年~1962年』僅か約2年とされている。非常に短い製造期間のため、3代目エクスプローラーⅠの中でも最も価値あるものとされている。
- ミニッツサークルミラーダイヤル
-
前作のRef.6610の名残りでRef.1016の最初期に僅かに引き継がれていた、ミニッツサークルミラーダイヤル。艶感のあるエナメル質の黒文字盤に、ミニッツサークルがプリントされている。非常に希少なダイヤルである。
- クロノメーター表記
-
スイス公式クロノメーター検定機関のC.O.S.C.(The Contrôle Officiel Suisse des Chronomètre)認定のムーブメントを示すレターである。SCOC「SUPER CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」のプリント。前作のRef.6610やRef.1016初期ロットはOCC「OFFICIALLY CERTIFIED CHRONOMETER」という表記であった。
- シックスドット
-
30分の目盛りの真上に流布されたドット状の夜光塗料。通称シックスドットという(別名:エクスクラメーションポイント)。1961年頃製造モデルの特徴である。
- アンダーバー
-
夜光塗料の放射線量が規定内に収まっている事を示す。
- ムーブメントCal.1560
-
1950年代後半~1960年代半ばまで製造されていた。ミニッツサークルミラーダイヤルからミラーダイヤルの時期のものに搭載されている。
3代目エクスプローラーⅠRef.1016ミラーダイヤル
1960年代前半から1960年代後半にかけて製造されたダイヤル。
- ミラーダイヤル
-
最初期のミニッツサークルが廃止され、ダイヤルは艶感のあるエナメル調のブラックダイヤル。
- 分目盛り
-
ミニッツサークルが無くなったため、インナーリングの際の部分から目盛りが伸びている。塗料はゴールド色となっている。
- スイス表記
-
トリチウムを含む夜光塗料の意味を示す「T」の文字。「SWISS-T<25」は放射線量が25ミリキュリー未満であることを示す。
- ムーブメントCal.1570
-
Cal.1530の後継機。1960年代の時計に搭載され、エクスプローラーⅠではミニッツサークルミラーダイヤルからミラーダイヤルの時期のものに搭載されている。
3代目エクスプローラーⅠRef.1016マットダイヤル
Ref.1016で最も長く製造されたダイヤル。1960年代後半から製造終了の1989年の約20年間は全てマットダイヤルとなる。そのため、20年間の中でマットダイヤルにもマイナーチェンジが存在し、ダイヤルは大きく分けると6タイプ存在する。また、1970年代前半以前と以降でハック機能の有無がある。
※ハック機能とは、リューズが時間調整のポジションにある際に秒針が止まる機能のことをハック機能という。
- 0型ダイヤル
-
1960年代後半に製造されたダイヤル。「ROLEX」のEの文字と、バランスの良い形をした王冠マークが特徴。
- 1型ダイヤル
-
1960年代後半~70年代半ばに製造されたダイヤル。カエルの足の様な形状の王冠マークが特徴。また6時位置の「SWISS」のSの文字が潰れた形状をしている。
- 2型ダイヤル
-
1970年代半ば~1970年代後半に製造されたダイヤル。セリフ付きのゴシック体に、バランスの良い王冠マーク。
- 3型ダイヤル
-
1970年代半ば~1970年代後半に製造されたダイヤル。2型ダイヤルと同時期に並行して作られていた。縦長の王冠マークと細めの書体が特徴。
- 4型ダイヤル
-
1980年代前半~1980年代半ばに製造されたダイヤル。やや太めの明朝体でプリントされたROLEXの文字と、「OYSTER PERPETUAL」のレタースペースが狭いのが特徴。
- 5型ダイヤル
-
1980年代半ば~1989年に製造されたダイヤル。2型ダイヤルに酷似しているが、夜光はあまり焼けが少ないものが特徴。
ブレスレットとフラッシュフィットの仕様
- 初期『リベットブレス7206/80』
-
1954年~1971年製造。リベットブレス。フラッシュフィットとブレスレットが一体型となっている。デイトナ以外の20mm幅のスポーツモデルやデイトジャストに装備されている。また殆どのリベットブレスにおいて中板に製造年代が刻印されている為、時計の年代と合致しているかを確認することができる。
- 中期『巻きブレス7836/280』
-
1967年~1971年製造。巻き込みブレス。フラッシュフィットとブレスレットが分離型。72年製造までは中板に製造年代が刻印されている。
- 中期『巻きブレス7836/380』
-
1972年~1976年製造。巻き込みブレス。フラッシュフィットとブレスレットが一体型。72年製造までは中板に製造年代が刻印されている。以降73年~75年は刻印がない。
- 後期『ハードブレス78360/580』
-
1976年~製造。ハードブレス。フラッシュフィットとブレスレットが分離するタイプ。最初期の1976年だけ中板に「76」という製造年代の刻印が入る。以降クラスプコードといい暗号化されたアルファベットが刻印される。A・VA⇒1976、B・VB⇒1977、C・VC⇒1978、D・VD⇒1979、E・VE⇒1980、F・VF⇒1981、G⇒1982、H⇒1983、I⇒1984、J⇒1985、K⇒1986、L⇒1987、M⇒1988、N⇒1989、O⇒1990となる。
3代目エクスプローラーⅠにおけるシリアルナンバーで推測する製造年
- 製造年
- シリアル番号
- 1960年・・・ミニッツサークルミラーダイヤル
- 693808~
- 1962年・・・ミニッツサークルミラーダイヤル、ミラーダイヤル
- 763663~
- 1964年・・・ミラーダイヤル
- 985015~
- 1965年・・・ミラーダイヤル
- 1259699~
- 1966年・・・ミラーダイヤル
- 1871000~
- 1967年・・・ミラーダイヤル
- 2163900~
- 1968年・・・ミラーダイヤル、マットダイヤル0型
- 2426800~
- 1969年・・・ミラーダイヤル、マットダイヤル0型、1型
- 2689700~
- 1970年・・・マットダイヤル1型
- 2952600~
- 1971年・・・マットダイヤル1型
- 3215500~
- 1972年・・・マットダイヤル1型
- 3478400~
- 1973年・・・マットダイヤル1型
- 3741300~
- 1974年・・・マットダイヤル1型
- 4004200~
- 1975年・・・マットダイヤル1型、2型
- 4267100~
- 1976年・・・マットダイヤル2型、3型
- 4538000~
- 1977年・・・マットダイヤル2型、3型
- 5008000~
- 1978年・・・マットダイヤル2型、3型
- 5428200~
- 1979年・・・マットダイヤル2型、3型
- 5958000~
- 1980年・・・マットダイヤル4型
- 6434000~
- 1981年・・・マットダイヤル4型
- 6910000~
- 1982年・・・マットダイヤル4型
- 7386000~
- 1983年・・・マットダイヤル4型
- 7862000~
- 1984年・・・マットダイヤル4型
- 8338000~
- 1985年・・・マットダイヤル4型、5型
- 881400~
- 1986年・・・マットダイヤル5型
- 9290000~
- 1987年・・・マットダイヤル5型
- 9766000~
- 1988年・・・マットダイヤル5型
- R~
- 1989年・・・マットダイヤル5型
- L~