タイムグラファーとは?
タイムグラファーは、腕時計の現在の状態を測定する機器です。
具体的には「歩度」「振り角」「片振り」「振動数」といった数値を確認できます。
裏蓋を開けることなく、短時間で精度をチェックできるため、非常に便利です。 それでは4つの項目について説明していきたいと思います。
■歩度■振り角■片振り■振動数 歩度(RATE)
歩度は時計の時間精度を表す指標で、日差(1日の進みや遅れ)を計測します。
たとえば、写真のサブマリーナーは「+6s/d」、一日に6秒進むことを意味します。
スイス公式クロノメーター検定協会(C.O.S.C)では、日差が-4秒から+6秒以内が合格基準とされています。
振り角(AMPLITUDE)
振り角は、時計の心臓部であるテンプが振れる角度を指します。
振り角が大きいほど精度が安定し、外乱に強くなります。
最大340度程度から、ゼンマイが切れて止まる直前には100度程度まで減少します。
弊社では、理想とされる270度~320度の範囲に収まっているかどうかを確認しています。
片振り(BEAT ERROR)
片振りとは、テンプの振動が本来の中心位置からずれる度合いです。
一般的には0.0~0.2が良い数値とされ、アンティーク時計の場合は0.5までが許容範囲とされています。
振動数(PARAMETERS)
振動数は、テンプが1秒間に何回振動するかを指します。
振動数が高いほど、時間の正確さが増します。
一般的な腕時計は毎秒8振動(28,800)、アンティーク時計は毎秒5~6振動(19,800~21,600)です。
まとめ
普段はあまり目にすることのないタイムグラファーについてご紹介いたしました。
修理会社へ時計を持ち込んだ際や、販売店へ時計の不調を相談しに行ったときに見かけるかもしれません。
タイムグラファーはその場で素早く時計の精度を測定してくれる便利で頼もしい機械です。
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